公益財団法人三島海雲記念財団

Mishima Kaiun Memorial Foundation

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財団について

財団について

ご挨拶

「カルピス」創業者の三島海雲は、1962年、84歳の時に自らの全財産を投じて本財団を設立しました。その目的は、将来の日本の繁栄のために、その基盤となる学術研究を支援することでした。

彼は、カルピスをはじめとする多くの食品を開発するにあたって、関連する自然科学分野の研究者から惜しみない協力や支援を受けました。また、東洋学の研究者たちと友誼を結び、人のなすべきこと、生きることの意味などについて教えを乞うとともに、戦前戦後を通じて、日本と世界の行く末について、広く深く語り合っていました。「私の言う学術とは自然科学はもとより、それを支える“良識”すなわち人文科学を含む」と三島は書いています。この二つの分野の研究者たちに恩返しすること、その結果として生まれるだろう学術研究のすぐれた成果によって、日本が経済的・文化的に発展することが三島の願いでした。三島は日本とその国民を深く愛していました。
その想いを大切にしながら、本財団は設立以後60年以上に亘って、自然科学、人文科学の両分野の研究を助成し続けてきました。

 この間に、世界は大きく揺れ動きそこでの日本の立ち位置と役割も変わりました。学術研究の領域や方法もまた大きな変革を遂げています。三島の時代の「人文科学」が、今日では「人文社会科学」あるいは「人文学・社会科学」と呼ばれるようになっているのは、その一例です。

三島の「日本の繁栄の礎石になりたい」という志を継承することは本財団の助成活動の大前提ですが、その上で、私たちは、時代と環境の変化に適切に対応しながら、日本とその学術研究の発展にさらに効果的に寄与できる道を真剣に追求して行きます。2024年度から人文科学部門の助成対象分野を「アジア(日本を含む)に関する人文社会科学諸分野の学術研究」としたのは、このような考えに基づいてのことです。また、今年度からは「食の未来と人間社会」と題する新たな研究領域を設定し、人文社会科学と自然科学の協働を促しながら、未来志向の研究プロジェクトを助成することにしました。

 今後も皆様のご助言、ご支援を頂きながら、助成分野の見直しや新機軸の助成企画の実現に随時取り組んでまいります。引き続きご指導、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

理事長 羽田 正